射手の気持ち(HITの場合)


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(葛飾区エアライフル射撃場におけるHITです)

始めに  
 

先日の試合で会長からホームページにもっと射手の内面的な記事を書きなさいと言われました。
確かにライフル射撃はメンタルなスポーツであり、他の選手の試合における内面的な葛藤は気になるところなので、私のケースを書いてみることにしました。
ただし、私はトップの選手でもなければ、コーチでもありませんので、あくまでヘボシューターのたわごとだと思ってください。
技術的な教本は、元ナショナルチームコーチの 「ぐうたららいふるまんの射撃のお話し」 や柳沢義昭さんの 「ようこそALSYYの世界へ」の中にありますので御覧ください。
もし、お気づきの点などありましたら、メールで御指摘・御指導いただけたらありがたいです。


プレパレーション・試射  
 

私の場合、うまくいったときと残念な結果に終わったときはプレパレーションから試射にかけての姿勢作りの成果が大きな要因を占めています。
車いすの角度で銃を構えたときに自然と黒点に銃口がすんなりと落ちるように目をつぶって確認するのですが、最後まで気に入らずに姿勢を変えたり、サイト調整を繰り返したときはまず10点になかなか入らない結果に至っています。
うん!!気に入った。これでよし!!と試射が撃てたときはいいですね。
10分のプレパレーションと試射を繰り返す練習はとても重要だと思います。
試射が終わると射座から離れて、もう一度プレパレーションで姿勢作りをするところから繰り返す練習は今でもやっています。基礎練習なのでおもしろくないんですけどね。
また、朝霞のエアライフル射撃場のテーブルは取り外しが効かない上に位置が高いので、車いすで構えたときに銃がテーブルにぶつかってしまうのと、標的交換がやりにくいため、自分で台を作り、その上に車いすごと乗り上げるようにして撃っています。
この台の角度や位置調整が慣れるまでは結構大変だったというか、今でも苦労しています。
台の上に乗っても標的を交換機に付けるのは大変です。位置が高く遠いので、交換に手間取るため、人の倍以上も時間がかかるため、いつも時間ぎりぎりに撃ち終わるパターンですが、時間内に撃ち終われば関係ありませんので、場数を踏んで自分の射撃パターンを確立することが重要です。
あと10分コールの時何発残っていても自分のパターンが分かっていれば大丈夫撃ち終わるぞと緊張しません。
いざとなれば、射場長に申告すれば2発まではペナルティーなしで撃ち込んでもいいのですから、自分の気持ちを楽にするように心がけています。


本 射  
 

試射から本射に移る第1発目は緊張しますか?
意識しないで撃つためには、試射でサイト調整と姿勢づくりがうまくいき、グルーピングが納得したところでさっと本射に入ることです。 でも、これは練習量以外ないと思っています。
自分が自信を持って試合に臨めるか否かで変わってきます。
今では肩を壊して撃っていませんが、エアピストルとエアライフルでは全くメンタルが違いました。
エアライフルは3段を取ってから自信を持って撃てるようになり、練習よりも試合の方が良い点数が出るようになっていましたが、(最近ではあてはまりません)エアピストルは練習しても練習しても上達しないため、苦手意識が働きました。
私の場合、脊髄損傷で腹筋と背筋がないため、ピストル以前に身体が止まらないため、2年半必死に練習しましたが、初段も取れず見切りを付けましたが、私の場合、自信がない種目では試射から本射に移る瞬間はとても緊張し、そして外すことが多いです。
半年以上ピストルは撃っていませんが、今でも肩と肘が痛いです。
2年以上ライフルの練習はほとんどしていなかったので、昔のように自信を持った射撃ができなくなってきているのが現在の悩みです。
でも、これを克服するには練習量しかないですね。
エアライフルだけでなく、スモールボアや大口径まで浮気しているせいもありますが。


試合中の葛藤  
 

同じ試合の中で各シリーズともほぼ同じ点数で推移するときとバラツキが出るときがあります。安定している時はだいたい調子がよいときです。
バラツキが出るのは基本的に練習不足さと言ってしまえば簡単ですが、どうなんでしょう?
1発1発真剣に緊張して撃っているか。フォームの確認に手抜かりはなかったか。まぁいいかぁで撃つことをまずやめることから始めましょう。と自分に言い聞かせています。
そして自分に自信を持つことです。その精神力というかメンタルがかなり結果に影響すると思います。
私は試合の時一切点数は数えないようにしています。数えてしまうと気負いが入ってしまい無の境地で撃てなくなるからです。マイナーな気持をいかに閉じこめるかじゃないでしょうか。よく敵は他人ではなく自分自身の中にあると言われますよね。
ピストルを始める前は練習よりも試合の方が良い点数が出ると自分に言い聞かせ、そしてそのとおりになっていましたが、ピストルがうまくいかなくてメンタル面で自信を喪失したことと、しばらくライフルから遠ざかっていたため、練習不足から自分の射撃に満足できないのが今の私の心理状態です。
自信を持って撃てるようになるといくらギャラリーがいようと気にならず、よく見ておけよと自慢するように撃つことができるようになり、結果も良いようです。
そして、射撃場によって撃ちにくいとか、苦手な射撃場といった意識は取り払うことです。基本的にはどこで撃っても全く同じはずですから。
最近の私の試合における具体例を書いてみます。

2001年5月20日 長瀞大口径射撃場
東京都選手権大会 P60でエントリー
90,91,94,99,93,95 562点
私にとって初めて大口径の試合エントリーです。練習では自作弾でしたが、ラプアの工場装弾に変えてみたため、試射ではだいぶセンターからずれていました。
とりあえず、真ん中にまとまってきたのでよしっと本射に入りました。第4シリーズでは気持ちいいぐらい10点に集中しました。バレルはだいぶ熱くなってきていましたが。決して10点を狙おうと思って気負っていません。あ、はずれたと思ったら9点でした。いつもこのように撃てればいいのですが、調子のいいときはラフに狙っても真ん中に入ります。

2001年5月27日 長瀞大口径射撃場
埼玉県大口径射撃大会 P60でエントリー
87,91,95,87,91,82 533点
同じ弾を使ったのにあれって感じです。最終シリーズで2発の遅発がありました。ファイアリングピンが叩く音が聞こえてからどかーんですから、フォロースルー不足がもろ出ましたね。

2001年6月10日 朝霞射撃場
埼玉県会長杯 ARS60でエントリー
96,86,91,88,87,85 533点
良かったのは第1シリーズだけです。このときは悩まずスパッと引き金が引けました。外したと思っても10点のかじりか9点止まりです。あとはメンタルが崩れたので記憶から除外しました。悪い点を打ったときはその標的は見ない(見つめない)なぜなどと考えない。撃たなかったことにしよう。うまくいったときのみノートに記載するようにしています。






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