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立射姿勢(standing)
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(シドニーパラリンピックAIR RIFLE STANDING WOMEN SH1 ゴールドメダリスト韓国のKIM Im-Youn)
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(シドニーパラリンピックAIR RIFLE STANDING MIXED SH2 9位のHansStamper)
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健常者では標的に90度横向きに立ち、左の腰を前に突き出すように捻り、ロックさせるのですが、腹筋及び背筋が弱いか全く効かない車いすではとても安定しませんので、標的に向かい車いすを45度程度角度を付け、安定させるには少し前に座り構えます。
このとき、車いすの背もたれをいかに利用するかが重要となります。
さすがKIMはゴールドメダリストだけあって上手く背もたれを使っています。
また、背もたれの高さはルール上の規定がありますから、自分のクラスとどこまで許されているのかをまず把握してください。
クイッキーの背もたれシートはフレームパイプに被せるタイプなので、アルミパイプでスリーブを作りこの長さで調整しました。
この高さは実際に変えながら確認してください。HITは背もたれが高すぎると当たり痛かったので、何通りか実際に作り、射撃場で試してみました。
背もたれの高さ調整方法はメーカーによって異なるでしょう。
クラス分け
全ての選手は二つの大きなクラスSH1あるいはSH2のいずれかに分けられ、さらに小クラスに分けられます。
SH1:SH1A−SH1B−SH1C
SH2:SH2A−SH2B−SH2C
SH1は射撃スタンドを必要としないピストル及びライフル射手であり、SH2は上肢に測定可能もしくは目視で明らかな永久的な障害があり、そのために上肢で銃の重さを支えることが不可能で射撃スタンドを必要とする選手です。
Aは立つことができて通常の体幹機能を持つクラスで、背もたれがないイスに座るか又は立って撃ちます。
Bは下肢の機能が失われているかもしくは下肢に重い障害があるがバランスの良いクラスで、低い背もたれのみ利用可です。(最高で背中の1/3であること。骨盤の上端)
Cは下肢の機能が失われていて、かつ体幹機能が乏しいクラスであり、高い背もたれの使用が可能(脇の下10cmまで許される)です。
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伏射姿勢(prone)
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(シドニーパラリンピックFREE RIFLE PRONE MIXED SH1 ゴールドメダリスト JonasJacobsson)
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写真はスモールボアライフル伏射60発競技で優勝したヨナス、ヤコブソンです。彼は御覧の通り左利きです。
伏射は大きなテーブルを置き、両手肘を付き、スリングを使用し、身体を委託して撃ちます。
スリングを張った方の腕は試合中動かしてはいけません。しびれがきますが、テーブルとの接点は動かさないで銃を上に上げた形で休みます。
我慢大会というか拷問のようで慣れるまでは辛い競技です。
(JonasJacobssonの休憩姿勢)
(シドニーパラリンピックAIR RIFLE PRONE MIXED SH2 ゴールドメダリストのThomasJohansson)
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SH2では全ての姿勢で射撃スタンドを利用することが可能になりますが、そのかわり全ての姿勢でスリングの使用は禁止されています。
それでは、SH2における各姿勢の区別はどこかと言えば、テーブルを使用せず腕が身体以外のどこにも触れないのがStanding、大きなテーブルで両手を付き、身体も委託できるのがProne、小さなテーブルに片側の肘だけ(右利きならば左肘)付ける事ができるのがKneelingです。
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膝射姿勢(Kneeling)
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(シドニーパラリンピック FREE RIFLE 3x40 MEN SH1 4位のFrancPinter)
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伏射の姿勢と比べてください。引き金を持つ方の腕は車いすやテーブルに触れてはいけません。
伏射は身体のどこを委託してもかまわないので、前傾姿勢となりますが、車いすでの膝射は片肘をテーブルに委託し、スリングを使えるものの姿勢はどちらかというと立射に近くなります。
参考にルールから抜粋しますと
「射撃用いすあるいは腰掛けに座っての膝射姿勢では一方の肘のみが卓あるいは板に置かれても良い。身体は板から明瞭に離れていなければならない。板、卓のフレームから支持を得てはならない。」
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エアピストル(AirPistol)
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(シドニーパラリンピックAIR PISTOL WOMEN SH1
ゴールドメダリスト IsabelNewstead)
彼女はオランダのダッチオープンでお会いしましたが、長い闘病の末、
癌のため亡くなったとのことです。合掌
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エアピストルはライフルより以上に身体バランスのハンディキャップが顕著に表れます。
HITも2年半ほど必死になって練習しましたが、全く上達せず挫折しました。
ピストルを片手で持ち上げますので、重心が高くなり座位バランスが悪いと銃が止まりません。目安としてベッドに足を投げ出した形で座り、両手を頭の上に置いたり髪の毛の手入れを何もつかまらないで出来るぐらいの座位バランスがないと厳しいかもしれません。
ピストル競技はライフル以上に背もたれに身をまかせます。銃を持たない方の手は自分自身に触れることは出来ますが、車いすにつかまってバランスを取ることはおろか触れることも許されません。
コートの着用も出来ませんので、座位バランスがとても重要なファクターになります。
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